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徹底分析!東京医科歯科大+東工大に続く大学再編・統合はどこ? 西田浩史
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東京医科歯科大と東工大が電撃的に統合することになったが、全国を見渡せば大学統合・再編のオンパレードだ。次の核となる大学群はどこか。
統合の多くは「1法人複数大学」のアンブレラ方式
10月14日、衝撃的なニュースが飛び込んできた。東京医科歯科大と東京工業大が、2024年度中をめどに“単一の新大学”に統合すると発表したのだ。世界水準の研究活動が期待される「指定国立大学」同士の統合は史上初。統合後、運営費交付金の規模は、旧帝大の北海道大、筑波大と同等クラスになる。よって、首都圏では東京大に次ぐ“理系総合大学”の誕生である。
今後、理工、医歯学など両大学の得意分野を掛け合わせた先端研究を行い、政府が大学に数百億円規模で支援する「国際卓越研究大学」を目指すとしている。なお、気になる大学の新名称は現時点では未定。当面は両大学のキャンパス、学部、定員は変更せず、28年まで学部改編など含め議論される。
その統合といえば、00年代初頭に存在した「第二東京大学構想」を思い起こす人もいるだろう。これは、一橋大、東京医科歯科大、東京工業大、東京芸術大、東京外国語大で統合し、“東大に対抗する総合大学”を目指すものであった。
この構想を提唱したのは、東京外国語大の元学長、中嶋嶺雄氏(故人)だとされる。無論、東大に対抗することだけが目的ではなく、「世界レベルの大学を創設する狙いもあったのでは」と、ある大学関係者は述懐する。
残念ながら、この構想は東京芸大の反対で頓挫してしまう。その後、東京芸大を除く4大学で「4大学連合」を締結し、複合領域コースを設けている。これは専門的な知識を得た上で、協定大学で新たな専門分野を学べる制度だ。なお、その一橋大には23年に実に72年ぶりの新学部となるソーシャル・データサイエンス学部が創設される。さらに、東京外国語大は19年に2から3学部に再編した。
今回、東京医科歯科大、東工大の統合で、“第二東大”といえる「4大学連合」で合併する可能性は低くなったかもしれない。いずれにせよ、この他にも完全統合に近い統合・再編の事例はいくつか存在する。
そこで、主な大学統合・再編状況と、全国300塾・予備校、大学関係者から聞き取り調査をし、今後の予想図の作成を試みた。
「1法人複数大学」が多数
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今、全国で同時多発的に国公立大学の統合・再編が起きている。その最新事情、今後の予想を図式化した(図1、図2)。その多くは、前述の東京医科歯科大と東工大のような「1法人1大学」ではなく、「1法人複数大学」(アンブレラ方式)といわれる経営統合である。
現在、統合再編が頻繁に起きている理由が歴史を振り返ると、見えてくるだろう。まず、04年度の国立大学法人化から続く、各大学の運営費交付金の削減の影響だ。そして、各大学が再編の覚悟を決めて本格的に動いたのが、14年の国立大学の「ミッション3分類」設定だとされる。これは、文部科学省が全国の国立大学を「地域」「特色」「世界」と三つの方向性で再定義し、各大学の運営費交付金のあり方を見直すものだった。
さらにここに、指定国立大学、国際卓越研究大学などの枠組みを別途作り、厳しい条件をクリアしさえすれば、予算配分などで優遇措置を講じるといった新制度も加えられた流れがある。
なお、文科省が国立大学の新たな選別をした理由は、01年に当時の遠山敦子文部科学相が提唱した「遠山プラン」の統合・再編に失敗した背景も大きい。当初、国立大学の大規模の統合・再編を狙ったものであったが、実際、単科医科大学などの小規模の統合・再編にとどまった。
その反省点から各大学の立ち位置を明確化させ、19年に大規模統合・再編がしやすいアンブレラ方式の統合制度(1法人複数大学)制度を導入。大学が動かざるを得ない状況になったといえる。この合理化によって、さらに今後多くの大学で「1法人1大学」に移行する大学も増えそうだ。
遠距離が統合のネック
まず、北海道地区の注目は小樽商科大、帯広畜産大、北見工業大のアンブレラ方式による統合だろう。これに至った理由は北海道経済低迷と少子高齢化だ。
その小樽商科大は商学、経済学分野では北海道大に引けを取らない研究レベルの高さで、官立高等商業学校をルーツとする名門。いわば“北海道の一橋大”の位置付けだろう。さらに帯広畜産大は、国立大で唯一畜産系の単科大。そして、北見工業大は日本最北端の工業系単科大学で寒冷地研究で有名だ。
なお、この3大学だけにとどまらないだろうと見る関係者が多い。そこで候補に挙がったのが、北海道教育…
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週刊エコノミスト
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