《東京市場》内需が好転、中小型株が反発の兆し 秋野充成
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米政策金利の上限予想が定まらない中で、債券マーケットの動揺は収まっていない。動揺はVIX(恐怖)指数上昇を伴う株式市場の波乱につながる。市場参加者が予測する上限金利は5%に接近。米10年国債利回りも4%を上回り、上昇傾向を強めている。
弱気相場が続く中で、国内株式市場では中小型株胎動の兆しがある。昨年12月以降、米金融政策転換に伴う不確実性が高まる中で、世界の株式市場は「質への逃避」を鮮明にした。安定度で勝る大型株に対して小型株のパフォーマンスは大きく劣後することになった。需給的にもヘッジファンドの小型株買い・大型株売りポジション解消により、良好な内容の小型株が適正価格を大きく逸脱して売り込まれる事態に陥った。
東証株価指数(TOPIX)の採用銘柄のうち大型株と小型株のパフォーマンスを相対比較する「TOPIX小型/TOPIX100」比率は、2021年9月末の1.84から22年1月中旬には1.70まで低下。数値が大きくなれば小型株優位なので、小型株の劣後が鮮明だ。この相対指数が9月末には1.86まで復調し、小型株指数の切り返しが始まっている。背景は内需の堅調さだ。小型株指数を構成する銘柄群はサービス、小売…
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週刊エコノミスト
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