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経済・企業 インフレ時代の投資術 

内部留保を抱えた法人の買いで株が上がれば資産倍増計画は達成? 植木靖男

1971年のニクソンショックで混乱する東京証券取引所
1971年のニクソンショックで混乱する東京証券取引所

 前回のインフレ時代だった1970年代は、71年の田中角栄元首相による「日本列島改造論」の影響で、政府もどんどんマネーサプライ(資金供給量)を増やしていた。72年ごろには資金が過剰になった総合商社が株を買い始めた。そうすると他の会社も株を買い始める。当時、私は日興証券(現SMBC日興証券)に勤めていたが、新日鉄(現日本製鉄)から約500億円出すので株を買いたいとの話が来ていたと聞いたことがある。その話は石油危機によって立ち消えになったが、当時はどの会社も株をやりたがっていた。

 72年の毎日新聞は、和光証券の調べとして、空前の株式ブームは、法人による大量買いによるものと報じている。猛烈な株買いを続ける丸紅は、証券業界関係者から「丸紅証券」とアダ名がつけられていると伝えるほどだ。

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