《穀物》ロシアの合意停止で上昇 村井美恵
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小麦とトウモロコシ相場はウクライナ情勢の緊迫化により上昇した。10月29日、ロシアはクリミア半島のセバストポリ港へのウクライナ軍の攻撃を理由に、7月に成立した黒海経由でのウクライナ産穀物の輸出再開合意への参加を無期限に停止したと発表した。これを受けて、翌営業日に小麦は2週間ぶりの高値まで急騰し、トウモロコシも上昇した。大豆も菜種やひまわり油の供給縮小懸念などから上昇した。
国連共同調整センター(JCC)によると、10月30日までに前述の合意の下で950万トン以上の農産品が輸出されており、うち4割がトウモロコシ、3割が小麦、菜種とひまわり油合計で14%だった。国連やトルコは、ロシアが合意に未参加でも、ウクライナ産穀物の海上輸送支援を続ける意向を示しており、実際の輸出量にどの程度影響するかが注目だ。また、黒海沿岸地域では、乾燥から冬小麦の作付面積の減少が懸念されており…
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週刊エコノミスト
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