経済・企業

個性際立つ「オンリーワン」半導体関連4銘柄 今中能夫

 パワー半導体、露光装置、設計・検査で業界に欠かせないプレーヤーたちを紹介する。(企業名の後のカッコ内は国名、ティッカー、証券コード)>>特集「半導体 反転の号砲」はこちら

オンセミ EV向けパワー半導体が好調

 ロジック半導体の中堅メーカーで、パワー半導体では世界2位(1位は独インフィニオンテクノロジーズ)、イメージセンサーは同5位(1位はソニーグループ)である。

 2022年7〜9月期は26%の増収、6%の営業増益となった。パワー半導体やイメージセンサーなどからなる自動車向け売上高は前年比52%増と大幅増となった。EV(電気自動車)向けパワー半導体や自動運転向けイメージセンサーが好調である。各種産業向けも同28%増と好調が続いている。

 一方で非中核事業が多くリストラを進めているその他(民生向けが多い)は同3%増となった。加えて、世界的に工場の再編を進めているため、のれんと無形固定資産の減損が発生し、これが営業増益率が低い要因となったが、これがなければ74%の営業増益だった。

 民生向け中心に需要が軟化している分野が出ているが、会社側は市場別には自動車向け、産業向け、製品別にはパワー半導体とイメージセンサーなどのセンサーに事業分野を集約しつつある。そのため、23年12月期も減損等のリストラ費用が予想されるものの、ベースでは好業績が予想される。

ASMLホールディング 最先端露光装置でシェア100%

 回路線幅が7ナノから先の先端半導体の生産に不可欠なEUV(極端紫外線)露光装置で市場シェア100%を持つ。旧世代のArF液浸露光装置、KrF露光装置でも高いシェアを持つ露光装置の専門メーカーである。

 2022年7〜9月期は10%の増収、1%の営業増益となった。有力顧客に対するEUV露光装置の出荷と顧客工場への設置を優先しているため、検収=収益認識が遅れており、費用が先行しているため、増収増益率が低くなっている。ただし、23年12月期になればより高い増収増益率が予想される。

 露光装置の需要は好調で、22年7〜9月期の受注高は過去最高を更新した。EUV露光装置だけでなく、各種の汎用(はんよう)半導体の需要好調を反映して旧世代のArF液浸露光装置の需要も好調。受注残高は22年6月末330億ユーロ、22年9月末380億ユーロと増加中だが、この380億ユーロの50%強がEUV露光装置、50…

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週刊エコノミスト

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