厳選!きらりと光る国内半導体関連7銘柄 和島英樹
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製造装置や素材などで独自の技術を持つ国内の半導体関連企業を紹介する。(企業名の後のカッコ内は証券コード)>>特集「半導体 反転の号砲」はこちら
ソシオネクスト カスタム半導体を開発
工場を持たないファブレスの半導体ベンダー。富士通とパナソニックのSoC(システム・オン・チップ)事業を統合して発足している。SoCとは装置やシステムを動かす機能を一つのチップに実装したもの。同社ではこれを特定の顧客向けにアレンジした「カスタムSoC」を主力としている。製造は台湾TSMCなどに委託。カスタムSoCは自動運転やAR・VRなど向けで有望視される。こうした新たな市場で、汎用(はんよう)チップではなく、特注のカスタムSoCを採用するケースが増加している。このため、半導体市場全般の成長を上回る伸びが期待されている。
タカトリ 切断加工機の需要が急増
次世代のパワー半導体材料として有望視されるSiC(炭化ケイ素)の切断加工機の需要が急速に伸びている。シリコン(Si)ではインゴットから薄く切ったウエハーを製造するのに切断加工機を使う。SiCでは均一化が困難を極めるが、同社はこれを技術力で克服。6月末の受注高は3月末に比べて倍増したもよう。会社側では10月末に、2022年9月期の営業利益が従来予想を8億2100万円上回る13億5100万円(前年比3.5倍)になったと発表している。現在のSiCウエハーの主力は6インチだが、より付加価値の高い8インチに対応する装置を投入し、さらなる成長を狙う。
富士電機 EV用パワー半導体に注力
パワー半導体に経営資源を傾けている今、最も注目を集めているのが電気自動車(EV)分野である。モータを低速から高速まで精度よく回すことでEVの性能を上げ、また、効率よく動かすことで省エネ・省電力化に貢献するためだ。特に注力しているのはSiC(炭化ケイ素)を使った半導体。現行のシリコン(Si)半導体よりも高い電圧に耐えられることで、電力損失を抑え、EVの航続距離の延長や電池の小型化を実現する。シリコンを含めたパワー半導体の投資は23年度までの5年間で1900億円になり、26年前後にはSiC半導体で世界シェア2割を狙うと報じられている。
キヤノン 微細化と低コストの露光装置
「ナノインプリント」という半導体の微細化と低コストを両立させる技術の実用化に向けて動き出した。栃木県に500…
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