《今週のポイント》ECB政策理事会(12月15日)高山武士
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利上げ幅は縮小されるか
欧州中央銀行(ECB)は12月15日に政策理事会を開催し、金融政策方針を決定する。
米国では、12月に利上げ幅を0.50%に縮小するとの見方が主流となっている。特に、10月のインフレ率が事前予想を大幅に下回ったことで、この見方は強まった。ECBも11月のインフレ率が予想を下回り、市場では利上げ幅を縮小するとの見方が多い。10月理事会の0.75%利上げも全会一致の決定ではなく、利上げ幅縮小を求める意見があった。12月理事会では積極利上げに慎重な意見が増えそうだ。
一方で、ユーロ圏の状況は米国と異なり、タカ派姿勢を維持する理由が少なくない。まず、利上げで先行する米連邦準備制度理事会(FRB)は、中立金利を上回る水準まで政策金利を引き上げているが、ECBの政策金利は中立金利の下限付近に達した程度とみられる。また、インフレ率に減速の兆しは見られるものの、伸び率は10%前後で米国より高い。そして、懸念されていた冬場のガス不足が、ガス貯蔵を加速させた結果、今冬に関…
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週刊エコノミスト
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