《今週のポイント》ユーロ圏HICP(1月6日)欧州のインフレも減速局面に入るか 高山武士
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欧州委員会統計局は1月6日、12月のユーロ圏HICP(EU基準の消費者物価指数)の速報値を公表する。米国の10・11月のインフレ率が事前予想を下回り、低下傾向が鮮明となるなかで、高止まっているユーロ圏のインフレ動向が注目される。
米国のインフレ率低下は世界的に景気減速感が強まり、原油価格が低下したことなどが背景にあるが、欧州のエネルギー価格は依然として高い。ロシア産のパイプラインガス供給が削減され、パイプラインガスの輸入代替は一朝一夕にはいかないためである。
それでも天然ガスの卸売価格(翌月物)は夏場のピークにつけた例年の15倍という価格からは大きく下落。欧州での米国産液化天然ガス(LNG)など代替輸入の加速で「脱ロシア」を進め、節ガスにも取り組み備蓄が進んだことが奏功した。秋の気候が比較的温暖だったことも後押しした。今冬のガス不足懸念は当初よりも後退している。
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週刊エコノミスト
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