質も量も優秀インドIT人材 PayPayは開発拠点を稼働 加藤結花(編集部)
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ヒートアップするインドのIT人材の獲得競争。供給が豊富なインドに企業の熱視線が集まる。
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IT大国インドで優秀な人材を確保しようと、現地に拠点を設立して採用を強化する日本企業の動きが目立つようになっている。楽天グループやフリーマーケットアプリを運営するメルカリ、スマートフォン決済のPayPayなどのテック企業がインドに進出している。
PayPayは2022年10月に同社初の海外開発拠点をインド・ハリヤナ州に設立、23年年明けから本格的に事業をスタートさせた。数百人のエンジニアを採用し、将来的には日本と同等の開発拠点に発展させる計画という。同社によると、自社内に開発部門を抱え年間50回程度のハイペースでアプリのアップデートを行っていることもあり、優秀なIT人材のニーズは非常に高い。
インドを選んだ理由については、①IT人材のスキルの高さと多さ、②準公用語が英語で、英語を話せる人が多い、③日本との時差が少ない(3時間半)、④インドのモバイル決済大手Paytm(ペイティーエム)の技術支援を受けたことでゆかりが深い──などの理由から総合的に判断した。
PayPayの開発部門の社員の外国人比率は7割で、国籍関係なく高いスキルを持った人材が採用されており、すでに多くのインド人社員が活躍している。
同社の「社内公用語」も日本語、英語であり、開発部門では多く英語が使用されていることも、英語に堪能な人材が多いインドとの親和性があった。
「カースト」に縛られず
そもそも、なぜインドのIT人材は優秀なのか。
テクノロジー分野に詳しい第一生命経済研究所の柏村祐主席研究…
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週刊エコノミスト
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