官邸の「鶴の一声」でNISA拡大幅アップ
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2023年度の税制改正案に、少額投資非課税制度(NISA)の大幅な拡充が盛り込まれた。制度拡大を目指していた金融庁自身が「期待以上」(幹部)と驚く戦果を得る形で決着した。
関係者によると、金融庁はNISAの生涯投資上限額を、現行制度の800万円から1600万円に倍増するよう水面下で要望した。これを受け、自民党税制調査会は幹部会合で上限額を1500万円とする案をまとめたが、官邸が増額を強く求め、急きょ1800万円に引き上げられたという。
同庁幹部は「岸田文雄首相の意を受け、腹心の木原誠二官房副長官が指示したようだ」と明かす。当時、防衛費を大幅に増やす政府方針に批判的な世論が高まっており、同庁内では「首相が看板政策『資産所得倍増プラン』に政権浮揚をかけた」との見方が広がる。岸田首相は東京証券取引所で行われた年末の「大納会」に首相として9年ぶりに出席し、「貯蓄から投資へ」の実現を呼びかけた。
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