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エネルギー危機を、供給網再編と効率化のチャンスに 池谷裕二

撮影 中村琢磨
撮影 中村琢磨

池谷裕二の闘論席

 エネルギー危機は昨今のキーワードの一つだ。ロシアのウクライナ侵攻を受け、同国からの石油と天然ガスの供給が大幅に減じた。ドイツをはじめ主要な輸入国は、エネルギー使用を削減しつつ、北欧やアフリカ諸国など、新たな供給国に接近。中低所得国は燃料価格の高騰に苦慮し、パキスタン、バングラデシュ、スリランカでは大規模な停電に直面した。一方ロシアは失われた欧州の輸出について、中国やインドを中心とするアジア地域での代替を試みている。

 世界のエネルギー地図が変化し始めてから1年がたとうとする中、エネルギー危機はどう収束してゆくか。環境に優しいグリーンエネルギーへのシフトが加速することは間違いないが、理想郷は数年で実現できるほど、技術的に易しくはない。企業や家庭では太陽光発電システムの導入を促進するだろうが、世界のエネルギー消費量からすれば微々たるものだ。当面の危機をしのぐ対応策として、安価な石炭の消費量は増えるはずだ。

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