資源・エネルギー闘論席

老朽原発を動かしたい「一貫した二枚舌」 古賀茂明

撮影 中村琢磨
撮影 中村琢磨

古賀茂明の闘論席

「今年も電力供給が危ない!」と経済産業省や電力会社が警鐘を鳴らす。電力供給の余力を示す予備率は、今年7月の東京電力管内で3.3%程度にとどまる見込みだという。本来は5%超が望ましいが、それを下回る注意報レベルだ。3%以下なら警報となる。

 3%超でも、老朽化した火力発電所で故障や事故が起きれば、一気に需給が逼迫(ひっぱく)し、停電となる可能性がある。東日本大震災直後に古い火力発電所を稼働させた際には、トラブルによる発電停止が頻発した。経産省によれば、2012年度に停止した件数は、稼働40年以上の場合、40年未満に比べて2倍近く多かったという。そうしたリスクに備えるためには、より多くの原子力発電所の稼働が必要だと経産省や電力会社は言う。

 一方経産省は、原発の老朽化リスクの議論は、火力の場合と真逆だ。これまで、原発は老朽化すると事故や故障のリスクが高まるという前提で、稼働期間は原則40年とし、例外的に原子力規制委員会の特別な審査を経たうえで、60年まで延長を認めるとしてきた。

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