経済・企業深層真相

物価高に利払いに人手不足 ゾンビ企業に迫る淘汰の波

「ゾンビ企業」が増加している。ゾンビ企業とは、稼いだ利益で借入金の利子を払えない企業の総称。国際決済銀行(BIS)が定める基準に準拠した国内のゾンビ企業数は、2021年度末時点で推計18.8万社に達し、わずか1年で2.2万社増えた。低金利をはじめ、「ゼロゼロ融資(実質無担保・無利子融資)」に代表されるコロナ禍の各種支援策が、ゾンビ企業増加の背景にある。

 日銀は昨年12月、長期金利の変動幅を拡大し、従来の金融緩和策から修正に動いた。利上げ観測が高まるなか、これまで低金利環境でなければ存続できなかったゾンビ企業に、淘汰(とうた)の波が迫っている。帝国データバンクが1月17日に発表した「金利上昇による企業への影響」に関する緊急アンケート調査によれば、今後の金利上昇が自社の事業に「マイナスの影響」を見込む企業が全体の4割を占め、借入金の利息負担増への懸…

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週刊エコノミスト

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