《東京市場》回復遅れ続く日本株 需要減も影響 三井郁男
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昨年末以降に世界の株式市場が大きく上昇したのは、2023年の世界経済見通しの改善が主な要因だろう。22年10~12月時点の見通しは、欧州のスタグフレーション(インフレと景気後退の同時進行)リスク、米国の景気後退、中国のコロナ感染爆発など不透明要因が多く、景気見通しの下方修正リスクがあるとの見方が多かった。多くの投資家は株式などのリスク資産の保有を落とした。
弱気な予想に対し実体経済は改善傾向で、2月1日に国際通貨基金(IMF)は世界経済見通しの見直しを発表し、23年の世界経済成長率を、従来の2.7%から2.9%に上方修正した。記録的暖冬で欧州でのスタグフレーションの回避、米国は雇用市場が堅調を維持して景気大崩れを回避し、中国はコロナ感染が頭打ちとなり、経済が正常化へ向かうなど、最悪の環境から脱出し経済見通しが大きく反転した。
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週刊エコノミスト
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