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《金》調整安だが中銀が購入 鈴木直美

 金相場は足元で調整安に転じている。2月に入り、米雇用統計や消費者物価指数の結果を受けて、米連邦準備制度理事会の早期利下げ観測が後退したのが主因だ。昨年終盤以降の金価格急騰と反落は、ニューヨーク金先物相場の総取組高(未決済契約残高)の動きと連動しており、先物主導の値動きと推察される。金上場投資信託(ETF)の残高は、過去数カ月ほぼ横ばいで、新規買い意欲は乏しいが売り圧力も緩んでいる。

 ワールド・ゴールド・カウンシルの需給報告によると、2022年の金の年間総需要は11年ぶりの高水準だった。世界の中央銀行の金購入量は21年通年で450トンだったのに対し、22年7月以降は2四半期連続で400トンを超えている。中国人民銀行は今年1月も3カ月連続で金準備を積み増し、ロシアや中東の中銀もドルやユーロ離れを進めたとみられている。ロシアのウクライナ侵攻後、中国やロシアはドル覇権への挑戦姿勢を…

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