《今週のポイント》10〜12月期の法人企業統計調査(3月2日) 上野剛志
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中小企業に回復が見られるか
3月2日に財務省から昨年10〜12月期の法人企業統計調査が公表され、企業収益の直近の動向が明らかになる。前回7〜9月期の全規模全産業(金融業、保険業を除く)の経常利益は前年同期比18.3%増と7四半期連続で増加し、7〜9月期としては過去最高を記録した。原材料・エネルギー価格の高騰が重荷となったが、一部販売価格への転嫁が進んだうえ、コロナ禍からの経済活動再開や円安による輸出拡大がプラスに寄与した。
ただし、企業規模別で見た場合にバラツキがある点には留意が必要になる。特に中小企業の回復は遅れている。資本金10億円以上の大企業の経常利益は前年同期比27.3%増に達し、コロナ禍前の2019年7〜9月期との比較でも約3割高い水準にあるのに対して、資本金1000万〜1億円の中小企業の経常利益は前年同期比で1.3%増、19年7〜9月期対比では約2割低い水準にとどまっている。
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週刊エコノミスト
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