サーバーとEV用がけん引 半導体関連株は再成長・再上昇のサイクルに 今中能夫
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データセンター向けは軽い在庫調整の一方、自動車は堅調。全体では年後半からの市況回復が期待される。
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世界の半導体関連セクターは、2022年1〜3月期まで大きなブームの中にあったが、22年年初からの米国の金利上昇が半導体関連セクターの株価下落の引き金になった。続いて、22年3月からの米政策金利引き上げ、その前後の中国・上海ロックダウン(都市封鎖)、スマートフォンとパソコンの販売減少などの要因が加わり、それに伴う実体経済の減速によって、半導体関連株の株価は更に下落した。
アドバンスト・マイクロ・デバイシズ(AMD)は22年7〜9月期からパソコン用CPU(中央演算処理装置)の在庫整理のために思い切った出荷削減を行った。エヌビディアのパソコン用GPU(画像処理装置)も同様だ。これらの厳しい出荷削減は相応の効果がでており、パソコン市場の大底は23年1〜3月期といわれている。
データセンター向けCPU、GPUの市場は、22年までは順調に拡大していたが、大手クラウドサービス(アマゾン・ウェブ・サービス、アジュール〈マイクロソフト〉、グーグルクラウドなど)のCPU在庫が高水準になったため、23年前半に軽い在庫調整に入っている。スマホ、家電製品などの民生品も、各国の景気後退によって実需が減退している模様だ。
大量に消費するEV
一方で、自動車向け半導体が増加中である。半導体不足が緩和された結果、自動車生産台数が回復中。加えて、さまざまな半導体を大量に使うEV(電気…
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週刊エコノミスト
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