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投資・運用 日本株の大逆襲

期待外れのTOPIX見直し 選別できず投資家離れ加速 古田拓也

 東証再編に伴い、見直しが始まっている東証株価指数(TOPIX)。銘柄厳選は進まず、インデックスとしての存在感は地盤沈下している。

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 東京証券取引所が新市場区分に再編されたことに伴い、TOPIXも見直しが始まっている。従来は旧東証1部上場銘柄で構成されていたが、見直し後は市場に関係なく、流通株式時価総額100億円以上の銘柄で構成されることになり、100億円未満の銘柄は外れることになる。構成銘柄の変更は影響が大きいため、2025年1月末に新TOPIXへの移行が完了するまで、100億円以下の銘柄は段階的に影響を低減する移行措置が取られている。

 TOPIX見直しの理由は旧東証1部上場企業の質が低下していたためだ。成長性が低く、市場でほとんど取引されない銘柄も旧東証1部にとどまり、日本経済を象徴する銘柄を集めたインデックスとはいいにくい状態だった。

 構成銘柄数からも、それは明らかだ。世界最大の米国市場で主力の株式指数であるS&P500種指数の構成銘柄は「時価総額が53億ドル(約7200億円)以上」「4四半期連続で黒字」などの条件の下、四半期に1度入れ替えられ、500銘柄に厳選されている。一方で、相対的に市場規模が小さい日本市場のTOPIXは、約2200銘柄がひしめきあう状態だった。

 一般に、銘柄厳選が不十分な株式指数は運用パフォーマンスが低下する。組み入れ銘柄が多ければ多いほど、指数全体が平凡なパフォーマンスに寄ってしまうのだ。これが株式指数の期待リターン低下、ひいては株式指数そのものの魅力低下を引き起こす原因となっている。当初は東証再編でTOPIXの銘柄数は厳選されるとの期待もあったが、報道によると除外されるのは600銘柄程度とみられ、期待外れだ。

米国株、世界株に人気

 構成銘柄の選定基準が市場区分に依存する株式指数は、上場企業と投資家の間に利益相反をもたらす。企業にとっては、ひとたび旧東証1部に上場してしまえば、TOPIXをベンチマークとするインデックス投資家の株式購入圧力によって、業績以外の部分でも企業価値を高めることができる。一方で、投資家…

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