投資・運用

インタビュー「投資が大衆化する時期が来た」高村正人SBI証券社長

 NISA(少額投資非課税制度)の大幅拡充で、金融機関に追い風が吹いている。有力な口座開設先であるネット証券のトップに、新NISAの評価などを聞いた。(聞き手=加藤結花・編集部)

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── 新NISAに点数をつけるなら。

■120点。想像を超える拡充でサプライズといっても過言ではない。業界はもちろん、個人投資家にとっても悲願の制度改正になった。新NISAの生涯非課税限度枠は1800万円、夫婦ならば2人で3600万円という大きな額が利用できることになった。将来に向けこれから老後の資金を作ろうという資産形成層だけでなく、すでにある程度の資産を持った中高年層の利用も拡大することが期待される。今後のライフプラン、資産形成の意向に基づいた選択肢を幅広く用意することが我々の使命だと感じている。

── 幅広い選択肢とはどんな取り組みがあるか。

■例えば、店舗や電話、対面での投資相談を希望する投資家のニーズに応える「IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)事業」というサービスがある。これは、中立的な立場の契約IFAから資産運用の助言を受けることができる仕組みだ。また、SBIグループのSBIマネープラザと地域金融機関等が共同店舗という形でリアル店舗も運営している。新NISAで増加が予想される中高年層については、リアルな対面での相談などのニーズが生じることも想定されるので、ネットとリアルを駆使したサービスを提案する。

── 情報提供で気をつけていることは。

■既存の顧客を見ていると、コストやポイントの比較など各社の商品、サービスをよく調べて非常に勉強している。だからこそ、こちらは意図的・誘導的に見える情報の見せ方は避け、中立性を意識している。当社としては最高水準の投資のプラットフォームを用意するので、皆さん使ってみてください、という姿勢だ。

── SBI証券の強みは。

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