《東京市場》長期視点でハイテク株など好機 三宅一弘
有料記事
米国の複数の中堅銀行が3月前半に破綻した。規制当局は金融危機回避のために預金全額の保護や緊急流動性供給措置を発動したが、市場は不安定な状況にある。銀行破綻の一因は、米連邦準備制度理事会(FRB)による急激かつ大幅な利上げによって、金利が急騰、さらに長短金利の逆転(逆ざや)が広がり、金融機関の収益悪化、保有債券の損失拡大が深刻化していることが挙げられる。
1980年代半ば以降のFRBの金融引き締め局面を振り返ると、最終盤で金融危機や、新興国の通貨危機が発生するケースがほんどであった。前者の典型が2008年の世界金融危機であり、後者が97年のアジア通貨危機であった。いずれのケースもFRBは利上げの停止、利下げに政策転換し、危機対応を図った。今回の中堅銀行の破綻は、さらに利上げが続く場合に「金融危機」につながる前兆にみえる。昨年3月からの利上げは、8…
残り527文字(全文905文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める