《NY市場》金融の混乱で先行き不透明感が続く展開に 中川幾代
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3月の米株市場は、中堅地銀の取り付けに端を発した金融システム不安から乱高下を繰り返した。破綻の連鎖を食い止めるべく、米当局は早急に預金保護などの緊急措置を講じ、米連邦準備制度理事会(FRB)は、一方の手で銀行収益をも圧迫する金融引き締めでインフレ抑制を続けながら、反対の手で金融安定化を図るという、困難な手綱さばきを求められることになった。
今回の銀行危機は、利上げによる景気・インフレ減速の「効果」が具現化したものともいえる。利上げ見送りも予想された3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、FRBは根強いインフレを理由に前回と同じ0.25%の利上げを行ったが、パウエルFRB議長は、今後、銀行の貸し渋りが生じ景気が減速したら、利上げの必要がなくなるとも発言した。
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週刊エコノミスト
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