《東京市場》日米で“金融売り・ハイテク買い” 藤戸則弘
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シリコンバレー銀行など米地銀の破綻で、投資家はリスクに敏感になっている。今回の米地銀が破綻に至った根本的要因は、名目金利からインフレ率を差し引いた米実質金利がマイナス圏下で、過剰なリスクテークを行ったことにある。極端に低い調達コストを生かして、これをベンチャー企業や暗号資産関連企業への投融資に向けていた。こうした米地銀は、一時大きな収益を上げ、業容も拡大傾向が続いていた。
しかし、昨年以降の米連邦準備制度理事会(FRB)の連続的な引き締め策によって、創業間もない未上場企業や暗号資産関連企業のバブルは崩壊した。レバレッジをかけた過剰な投融資は損失拡大につながり、問題発覚を契機に企業・消費者は一気に預金を引き揚げた。従来の銀行不安では、預金者が口座解約に列をなす光景が見られたが、デジタル化が進んだ現在では、パソコンやモバイルで瞬時に解約が膨張して破綻へと直結した。FR…
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週刊エコノミスト
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