マーケット・金融THE MARKET

《原油》80ドル水準が当面のめど 小菅努

 米欧の銀行不安が投資家のリスク選好性を低下させるなか、ニューヨークWTI原油先物相場は、1バレル=70ドル台前後の推移からさらに下落し、2021年12月以来の安値を更新した。石油輸出国機構(OPEC)と同非加盟産油国で構成する「OPECプラス」の主要参加国は、需給要因に基づかない金融要因による一時的下落に過ぎないとして、生産調整の必要性を認めていない。

 相場は原油需給ではなく、リスク投資の色合いに強く依存しているため、銀行の信用不安が焦点となっている。欧米大手銀行の連鎖破綻に発展しないことを前提にすれば、マーケット環境の沈静化と連動して下げ過ぎ感解消による自律反発局面に移行する可能性が高い。ただし、短期需給の逼迫(ひっぱく)化が進んでいるわけではなく、80ドル水準が当面のめどになろう。春の行楽シーズンで石油需要が拡大すれば、ガソリン相場主導で下…

残り96文字(全文474文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

10月3日号

金利ある世界18 長期金利の居場所の探り合い 10年国債が主役に復活する日■稲留克俊21 絶えざる資産インフレとデフレ■水野和夫22 ドル・円 米金利上昇で景気失速、金利低下 1ドル=130円の円高を目指す■吉田恒24 日本株 企業に生じた「インフレ利得」 「マイナス金利」が追い風に ■黒瀬 浩一2 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事