《原油》80ドル水準が当面のめど 小菅努
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米欧の銀行不安が投資家のリスク選好性を低下させるなか、ニューヨークWTI原油先物相場は、1バレル=70ドル台前後の推移からさらに下落し、2021年12月以来の安値を更新した。石油輸出国機構(OPEC)と同非加盟産油国で構成する「OPECプラス」の主要参加国は、需給要因に基づかない金融要因による一時的下落に過ぎないとして、生産調整の必要性を認めていない。
相場は原油需給ではなく、リスク投資の色合いに強く依存しているため、銀行の信用不安が焦点となっている。欧米大手銀行の連鎖破綻に発展しないことを前提にすれば、マーケット環境の沈静化と連動して下げ過ぎ感解消による自律反発局面に移行する可能性が高い。ただし、短期需給の逼迫(ひっぱく)化が進んでいるわけではなく、80ドル水準が当面のめどになろう。春の行楽シーズンで石油需要が拡大すれば、ガソリン相場主導で下…
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週刊エコノミスト
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