《長期金利》0.4%前後で推移 野地慎
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米国の中堅銀行の破綻によって生じた金融不安が、一層強まっているが、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ停止の思惑が高まる中で、各国の長期金利を押し下げた。投機的な債券売りの買い戻しが主導する形となったが、同様に海外の投機筋などによって売り越しが膨らんでいた日本の債券市場でも、急速な買い戻しが進み、これが10年国債利回りを押し下げている。
日銀の国債買い入れオペで品薄なカレント10年国債は、急速な買い戻しで0.25%まで低下したが、周辺年限の国債利回りから推察される適正水準は0.4%弱といったところだ。4月の国債入札を経てカレント10年債利回りは0.4%前後で推移すると予想されるが、当面は世界的な金融不安のなかで海外勢の投機的債券売りも手控えられそうだ。欧米中銀の慎重姿勢によって、日銀の政策変更への思惑も弱まりそうだが、債券ポジシ…
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週刊エコノミスト
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