《ドル・円》円急騰の可能性は低そう 佐々木融
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欧米の銀行に先行き不透明感が強まり、円が買われた。投資家のリスク回避志向が強まった結果、円が安全通貨のような動きを取り戻したようにもみえるが、違和感がある。円が安全通貨のような動きをするのは、先行きに対する不安からポジションを閉じるために円を買い戻す時だが、そんな時には通常金利差との相関は大きく崩れる。金利の動きなど気にしていられないだろう。
ファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)からみても円急騰の可能性は低そうだ。①短期的な円ショートポジション(売り持ち)はさほど積み上がっておらず、先行き不安からポジションを閉じるとしても、多額の円買いにはつながらない。②日本と世界の短期金利差が大き過ぎるため、投機的な円ロングポジション(買い持ち)を維持できない。③日本は貿易赤字国なので、円売り需要が強い。
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週刊エコノミスト
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