2086年に世界人口104億人 中印で高齢化率に差異 松浦司
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中国では今後高齢化が進展する一方、インドは人口ボーナスを長く享受することになる。
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世界の人口はどのようになるだろうか。2022年7月に公開された最新の国連世界人口推計によると、22年の世界人口は79.4億人であり、今後も人口は増え続け、86年に104億人をピークに減少を始めると予想されている。
各国の状況に目を転じると、中国は22年(1月時点)の14.3億人がピークであり、23年には人口が減少し始めるとされる。ただし、減少の速度は比較的緩やかで50年でも13.2億人と予想される。インドは23年7月には中国を超えるとされ、50年時点でも人口増が続き、64年の17億人まで上昇し続けるとされる。
50年の人口ランキングは、インド、中国、ナイジェリア、米国、パキスタン、インドネシア、ブラジル、コンゴ民主共和国、エチオピア、バングラデシュ、エジプト、フィリピンの順であり、日本はベトナムに次いで17位となる。南アジアとアフリカで人口大国が数多く出現し、東南アジアでも人口大国が出てくる。ただし、50年時点でも、インドの16.7億人、中国の13.2億人は、第4位の米国の3.75億人と比べて突出している(表2、拡大はこちら)。50年の総人口に占める中国とインドの人口比は30.8%を超えており、2022年の35.7%と比べるとやや低下するものの、依然として大きなウエートを占める。
国連人口推計の人口予測から言えることは、アフリカと南アジアと東南アジアのいくつかの国の人口が急激に上昇することで、インドと中国の世界人口に占めるウェイトが低下するものの、依然として50年でも両国が他を圧倒する。
人口は水準だけではなく、分布が重要である。現在、世界全体の高齢化率は9.8%で高齢化社会が到来し、38年には高齢化率が14%となり高齢社会になると予想されている。世界全体が高齢化に直面する。また、中国の高齢化率は22年で13.7%、2023年には14.3%となり中国も高齢社会となる。つまり、23年は中国の人口が減少し始めて、インドに追い抜かれ、さらに高齢社会が到来するという、中国の人口にとって大きな転換点となる。今後も30年に18.2%、2040年に26.2%と、さらに高齢化が進展することが予想される。
インドは、22年に高齢化率が6.9%、23年…
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週刊エコノミスト
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