投資・運用

問題物件のリノベマンションを避ける5カ条 田村啓

 中古住宅で快適に暮らすためにリノベは有力な選択肢だ。ただ、問題を抱える物件もあり、事前の情報収集が重要になる。

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 中古住宅を購入して内装や間取りを変えて住む「リノベーション」(以下リノベ)の人気が高まっている。矢野経済研究所によると、リノベーションを含む住宅リフォームの市場規模は6.9兆円(2021年)と推定され、約20兆円に上る国内住宅投資額の3割以上を占める。高度経済成長期に日本で広がった新築志向はもはや過去のものとなり、中古物件を自分好みの空間に変えて住もうという志向が定着している。

 国土交通省の「2021年度住宅市場動向調査」によれば、中古マンションを買う際に売り主と買い主によるリフォームを実施する割合は78.9%に上っており、大半の中古マンションの購入者が何らかのリフォームをした物件に住んでいるか、これからリフォームをしようと考えている。

 リフォームやリノベに明確な定義はないが、おおむね以下のように理解すればよい。リフォームは、壁紙や床材の張り替え、風呂やトイレの交換など、居住に伴う経年劣化によってマイナスになっていた物件を「元に戻す」という意味合いが強い。リノベは、マンションの専有部分でいったんコンクリートの躯体(くたい)を「スケルトン化」することで、部屋の配置を自在に変更するなどでより快適な住まいにするもの。近年では、マンション価格が急上昇し、東京23区内では1980年代後半のバブル期を超えて新築マンション価格は8000万円台で推移。価格が高騰した分、内装に掛けるコストを省いた物件もある。そうした「お仕着せ」の空間ではなく、新築物件であっても購入後にリノベを実施した後に住む人もいるという。

リノベ業者は玉石混交

 中古マンションを自分好みに変えて住むライフスタイル自体は、建物を解体して建て直すことに比べてSDGs(持続可能…

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週刊エコノミスト

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