1億円超物件続々 投資マネーも影響(編集部)
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値上がりを続ける新築マンション市場。不動産調査会社「東京カンテイ」によると、2022年、首都圏、関西、中京の3大都市圏中心部の駅周辺には、1億円超の物件(新築マンション路線別価格図の赤色の丸、価格は70平方メートル換算)が続出した。コロナ以前の19年時点では東京・JR山手線内の北側エリアはまだ、1億円未満8000万円台以上(ピンク色の丸)が中心だったが、22年になると早稲田、江戸川橋、本郷三丁目、千石、本駒込などが1億円の大台を突破した。
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東京カンテイの高橋雅之主任研究員は、「大手デベロッパーは、買うことができる人に絞って売っている。物件の完成後に2~3年かけて完売すればよいというスタンスだ」と指摘する。その上で、「売れ残ったとしても値引きせず、1期よりも2期、2期よりも3期に高値で売り抜けた方が利益を最大化できるという考え」と言い、市場が完全に売り手市場に転じていると解説する。
状況は、関西や中京圏でも同様だ。京都市営地下鉄沿線では、市内を交差して伸びる烏丸線と東西線で軒並み1億円超の物件が売りに出た。「国内外の富裕層に人気」(高橋氏)という。大阪市でも、JR大阪環状線の内側は多くが赤丸になっている。大阪万博(25年開催予定)を控え、ホテルが次々と建てられていることも、新築マンションの価格上昇の追い風になっているようだ。中京圏も、名古屋…
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週刊エコノミスト
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