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テロとは異常な民意表示形式である 片山杜秀

撮影 中村琢磨
撮影 中村琢磨

片山杜秀の闘論席

 民主主義はあくまで形式にすぎない。民意が望めば、戦争にも平和にもなる。戦後日本で平和主義と民主主義が幸福な結婚をできたのは、太平洋戦争で国民全体が不幸な経験をしたからだ。そのような歴史的経験が、両者を何十年か上手に結び付けられた。民主主義そのものは、いかなる政治的・経済的中身も保証しない。民意次第でどうとでもなる。

 では民意とはいかに決定されるか。百人千人ですら全員の合意は難しい。ましてや1億人の国家となると満場一致は不可能であろう。どうしたって多数決になる。51%が49%を無視しても究極的には構わないのが、民主主義の原則だ。

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