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AIは既に「他者への配慮」を人に諭す存在だ 池谷裕二

撮影 中村琢磨
撮影 中村琢磨

 人工知能(AI)がヒトの仕事を奪うと危惧されて久しい。実際はどうだろう。特定の分野では予想通りAIが躍進している一方で、自動運転のように期待されたほど普及してない分野もある。私が注目したいのが、期待を超えて進化した領域だ。大規模言語モデル(言葉を紡ぎ出すAI)はそうした領域の一つだろう。

 例えばカウンセリング。「心を通わせ合うためヒトならではの仕事で、冷徹で機械的なAIに心のケアなどできるはずがない」との考えは時代錯誤だ。今ではAIによるうつ病などの精神疾患の患者対応は珍しくない。実際、AIカウンセリングの治療効果は高く、患者からも「人には話しにくい内容でも打ち明けられる」と好評だ。米国のアンケート調査によれば、AIカウンセリングで…

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