インタビュー「EVを仮想発電所にする」渡部健REXEV社長
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REXEV(レクシヴ)を設立したのは、電気自動車(EV)が止まっている時間に蓄電池として使えないかという発想が始まりです。EVという動く蓄電池に目をつけて、うまく車両の稼働状況をマネジメントできれば、止まっている間は非常に安く蓄電池を活用することができる。
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例えば、介護福祉車両用EVでは朝夕1時間の送迎以外はEVの電池は使っていない。この時間帯を蓄電池として利用できれば、余っている太陽光発電の電力を蓄電し、必要な時に放電すれば、無駄なく電気が使え、電力会社も火力発電の燃料費を節約できる。社会コストとしても、EVの電池を出力調整用に活用する方が経済的です。
スタートは小田原です。2020年にEV専門のカーシェア事業を始めました。当初からEVの運行管理だけでなく、電池がどういう状態にあるか、スマート充電器を設置して遠隔制御してきた。ただ充電するだけではなく、電気料金が安い時間帯に充電し、また電力会社から節電要請が来た時には建物に放電する。昨年6月に電力需要の急拡大による全国的な節電要請が出された時も、EVの電池から建物に放電しました。
いま運営しているEVと遠隔操作できるスマート充放電器は100台以上。数年以内に1万台を目指します。EV1台の電池容量を40キロワット時(kWh)とすると40万kWhの仮想発電所(VPP)です。
ガソリン車とEVの最大の違いはライフタイムバリュー。ガソリン車は新車から中古車で販売して終わり。しかしEVは新車、中古車の先に電池の再利用、リサイクルがあり寿命が長い。最後まで使おうとなるとエネルギーマネジメントにたけた…
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週刊エコノミスト
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