広島サミット首脳宣言から“GX”が消えた事情
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広島市で開かれた主要7カ国首脳会議(G7サミット)で、日本政府は独自の脱炭素戦略「グリーントランスフォーメーション」の略語「GX」の大文字を首脳宣言に盛り込むことにこだわった。しかし各国の賛同は得られず大文字の挿入は見送られた。
最終的には小文字の「a green transformation」という一般名詞の表記が反映されるだけにとどまった。
日本政府内には「国際的に『GX』の文言が認知されれば、政策を進めやすくなる」(省庁幹部)との思惑がある一方、各国が慎重なのは、日本の「GX」に懐疑的だからだ。その柱の一つ、石炭火力発電所でのアンモニア混焼についても、首脳宣言では「発電での利用を検討する国があることに留意する」との表現にとどまった。アンモニア混焼を推進するのはG7では、石炭火力の廃止時期を示していない日本だけで、石炭延命策との批判…
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週刊エコノミスト
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