《今週のポイント》日銀短観6月調査(7月3日)上野剛志
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製造業景況感は底打ちなるか
7月3日に公表される日銀短観6月調査では、大企業製造業の景況感が底打ちするかが注目される。
大企業製造業の業況判断DIは前回3月調査まで5四半期連続で悪化してきた。部品不足などの供給制約や原材料高が長引くなか、海外経済の減速を背景とする輸出の落ち込みや世界的な半導体市場の低迷なども合わさる形で事業環境の悪化が続いてきたことが要因である。業種別では、半導体市場低迷の影響を受ける電気機械の悪化が顕著になったほか、供給制約の残る自動車の持ち直しも緩慢なペースにとどまっていた。
一方で、3月調査後は原材料高の一服や自動車領域での供給制約緩和など一部で前向きな材料も見受けられ、これらが支えとなり、6月短観で大企業製造業の景況感が底打ちするかが注目される。なお、改善が続いてきた大企業非製造業の業況判断DIについては、引き続き物価高や人手不足が重荷になるものの、新型コロナウイルス感染症の5類への移行などに伴うサービス需要の持ち直しやインバウンド需要の回復を受けて、堅調な推移が…
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週刊エコノミスト
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