《ドル・円》円売りアタックのリスク 佐々木融
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政府・日銀が円安を抑える「円買い介入」に再び踏み切る可能性が高まっている。緊張感を伴う危険な賭けになるだろう。
ファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)を見れば、円安は当然の動きだ。それに逆らった円買い介入をしても効果は非常に限られるだろう。マーケットは実体経済を映し出す鏡でしかない。鏡の向きを変えても、実体が変わらなければかえって今後の政策判断を誤らせ、逆効果にさえなってくる。
円高を抑える「円売り介入」は売るための円をマーケットから調達し、為替市場で売ってドルを買うため、ある意味無限にできる。一方、円買い介入は約160兆円という外貨準備が介入原資の上限だ。大きな額のように見えるが、22年の貿易・サービス収支赤字の約8年分、外貨へシフトを始める可能性が出てきた家計の円建て現金・預金の約15%でしかない。
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週刊エコノミスト
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