《東京市場》米国株へ資金還流 日本は横ばい相場 秋野充成
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米国景況感が想定以上に堅調だ。7月12日に米連邦準備制度理事会(FRB)が公表した地区連銀経済報告は、5月末以降の米経済活動は「わずかに伸びた」と総括した。銀行の貸し出し態度厳格化で、懸念される設備投資見通しも、ニューヨーク、フィラデルフィアなどで設備投資判断指数が上向いている。
春先には7~9月期にリセッション(景気後退)入りの観測が高まったが、想定外の粘り腰だ。市場では「ローリング・リセッション」という概念が浮上している。コロナ禍ではショックや混乱の度合いが業種によって異なり、回復も時間差があった。業種ごとに好不況の時期がズレ、経済全体では深刻な景気後退に陥らないとの見立てだ。
インフレの鎮静化が明確になりつつある。6月のコア消費者物価指数(エネルギーと食料品除く)の前年同月比上昇率は4.8%で市場予想(5.0%)を下回った。市場の政策金利観は低下し、7月0.25%利上げで打ち止めの可能性が高まってきた。
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週刊エコノミスト
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