《東京市場》業績見通し次第で調整局面入りか 芳賀沼千里
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米連邦準備制度理事会(FRB)の追加利上げと日本銀行の長短金利操作に対する関心が強い。ただし、米国株相場を振り返ると、景気・業績が悪化すれば、金融政策が緩和されても株価は下落した。IT不況期には米政策金利(FFレート)が2001年1月に引き下げられたが、株価の底打ちは02年10月である。世界金融危機では利下げ開始が07年9月、株価底打ちが09年3月。金融政策は重要だが、今後、主要国の株価動向の鍵は景気と企業業績が握ろう。
米国の個人消費は、すでに実質ベースで09年からの景気回復期の傾向を上回る水準まで拡大。新型コロナウイルス禍での給付金による過剰貯蓄を使い切り、消費が鈍化する可能性がある。昨年春からの金融引き締めを受け、銀行の貸し出し態度は厳格化しており、設備投資や耐久財消費を押し下げる可能性がある。物価見通しを間違えたFRBが、景気の実情を正しく判断してソフトランディング(軟着陸)させられるのだろうか。
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週刊エコノミスト
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