《東京市場》割安株の変革期待で物色拡大も 三宅一弘
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今年末までの4カ月の市場環境を展望すると、40年ぶりの物価高騰が沈静化に向かう中で、米欧を中心に金融引き締めが最終局面を迎え、利上げが打ち止めとなる公算が大きいと予想する。
過去40年近くの米国の事例では、利上げ最終局面で金融危機や(新興国)通貨危機が生じ、特に金融危機で景気後退に陥るケースが幾度かあった。ところが、今回の米国経済は、最強硬に近い利上げにもかかわらず、一部地銀の破綻はあったものの、金融危機や景気後退に陥ることなくソフトランディング(軟着陸)する可能性が高くなってきた。雇用者所得や消費の堅調などが下支えになっているが、景気の急激な失速を回避するなら、米国株をはじめ世界株にとって朗報になろう。
日銀は7月28日、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール=YCC)に関して、長期金利の許容上限を従来の0.5%から1.0%に拡大する柔軟化を決定。修正に動いた一因は債券市場のゆがみ是正や過度な円安の阻止だ。
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週刊エコノミスト
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