正しい投資プロセス 個別ファンド選びは最後の最後 小松原宰明
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「インデックスかアクティブか」は実は投資プロセスの最後の最後の議論だ。まずは、投資家の特性に応じた「基本資産配分」を決めるのが大事だ。
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投資信託を購入するときに、インデックスファンドが良いのか、それともアクティブファンドを選ぶべきなのか、という議論がある。一つの目安として、各資産クラスにおいて、インデックスが勝ちやすい市場ではインデックスを、アクティブが勝つ確率が高い市場ではアクティブを選ぶという方法がある。
図1は各資産クラスにおいて、インデックスファンドとアクティブファンドの勝率を比較したものだ。期間は2004年から18年までの15年間をとっている。先進国株式ではインデックスファンド対アクティブファンドの勝率は76%だった。インデックスの過去15年間の平均年率リターンは5.9%だったが、その成績を上回ったアクティブの割合は24%に過ぎず、76%がインデックスの成績を下回っているという意味だ。これが日本株になるとインデックスの57%に対しアクティブは43%と徐々にアクティブの勝率が高くなってくる。一方、新興国株式ではインデックスの47%に対し、アクティブは53%と勝率が逆転する。
アクティブが勝てない市場
なぜ、こういう結果になるのか。米国をはじめとする先進国株市場は、金融メディアの発達や最近ではAI(人工知能)の導入など市場インフラが整備されているうえ、参加する投資家も多く、市場の価格形成が効率的に行われている。そのため、アクティブファンドが市場で見過ごされている割安銘柄などを発掘して、インデックスに対して長期間にわたり超過収益を上げることが難しいことが背景にあるとみられている。
こうした先進国市場でもかつてのフィデリティ投信の「マゼランファンド」や最近では、ウォーレン・バフェット氏の運用するファンドなど、長期間にわたりインデックスを上回る運用成績を上げているアクティブファンドがあることは事実だ。しかし、この理由については、なかなか理論的に説明するのは難しい。
ただ、こうした例外を除けば、図2の先進国株式の例のように、インデックスファンドのリターンは、ほぼ市場平均(年率約15%)の近辺に集約しているのに対し、アクティブファンドは、年15%超から同マイナス5%までとリターンに大きなばらつきがあり、かつ、大抵はインデックスに負けている。リスク水準(価格の変動幅)も、インデックスに対して大きい。
来年の新NISAを契機に、投資を始めようとしている個人投資家にとっては、あまり商品選びに苦労せず、簡単に入手でき、投資後はほったらかしにして、最終的に資産が増えることが好ましいはずだ。インデックスファンドはコストが安く、運用成績はインデックスとほぼ連動する。一方、アクティブは、市場平均を上回る可能性はあるが、運用コストが高…
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週刊エコノミスト
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