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投資・運用 投信道場~新NISAで始める

バフェットの投資術 早く始めて持ち続ける 尾藤峰男

バフェット氏はコカ・コーラ株を長期保有している Bloomberg
バフェット氏はコカ・コーラ株を長期保有している Bloomberg

 世界最高の投資家、ウォーレン・バフェットの投資の原動力は複利効果にある。新NISAの資産形成ではその複利効果を最大限活用できる。

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 いよいよ来年1月から新NISA(少額投資非課税制度)が始まる。この制度は、18歳から非課税期間が無期限で使えるという制度である。これまでのNISA制度は、一般NISAがロールオーバー(非課税期間が終了した後、投資対象を翌年の非課税投資枠に移管)を使っても10年、つみたてNISAは最大20年の非課税期間であった。それが一気に無期限になる効果は想像以上に大きい。

 人生100年といわれる時代に、新NISAは、18歳から使えるため、100歳まで生きるとすれば、実に82年非課税の恩典が受けられる。その長い非課税期間を最大限有効に使える手法は、複利効果(運用益がさらに運用益を生む効果)を最大限取り込むことである。そして新NISAでは、世界最高の投資家といわれ、今年93歳になったウォーレン・バフェットの投資哲学を大いに活用すべきである。

 バフェットは言う。「人生は雪だるまのようなものだ。大事なことは、ぬれた雪と本当に長い坂を見つけることだ」。バフェット率いるバークシャー・ハサウェイの株価は、まさにこの雪だるま効果がフルに発揮されているのである。図は、1965年から2022年まで58年間のバークシャー・ハサウェイの株価の推移を表したものだ。前半の年率投資利回りは後半よりはるかに良かったが、複利が後半に入って利いてきて、大きく膨らんだのである。投資した額でいえば、実に、22年末の資産額の96.5%は後半に入って生み出されたことになる。バークシャー株のバフェットの富も、こうして作られた。そして、その資産額を獲得できる人は、65年からバークシャーの株を持ち続けていた人である。この期間の後半から始めても、こうはならない。

 この期間は58年。冒頭で述べたとおり、新NISAは非課税が無期限であるから、この時間軸、あるいはそれ以上になる。まさにバフェット投資の原動力である複利効果は、新NISAに最大限活用できるのだ。

上昇分が非課税

 ここで、バフェットが22年の年次報告書の「株主への手紙」の中で語った「成功銘柄」を紹介しよう。

 表に示すコカ・コーラとアメリカン・エキスプレスの2銘柄は、一定期間買い続け、買い付けは90年代半ばで終わった。その後持ち続け、22年末には株価はコカ・コーラが19.2倍、アメリカン・エキスプレスが16.9倍になった。その間30年弱。2銘柄とも配当を増やし続け、当初の配当利回りはコカ・コーラが5.8%、アメリカン・エキスプレスが3.2%、現在の配当利回りは、取得元本に対してコカ・コーラが54.2%、アメリカン・エキスプレスは23.2%である。コカ・コーラの現在の1年の配当額は、2年弱で投資額を回収できる額になっている。そして、この2銘柄とも、現在も、しっかりと配当を増やし続けているので、配当利回りはどんどん上がっていくばかりだ。

 新NISAとの関連で述べると、成長投資枠は外国株を含む上場…

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週刊エコノミスト

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