《東京市場》資本効率改善で海外マネー流入へ 三宅一弘
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米欧を中心に物価は減速基調を強めており、米国、ユーロ圏の順で、物価上昇率の目標である前年比2%に近づく方向だ。先行する米国では、エネルギーや物品価格が供給網の正常化などにより、過去1年近くにわたり沈静化してきた。下げ渋っていたサービス物価も年末にかけて減速が鮮明になりそうだ。
これに伴い米国の金融政策は「利上げ終了」の確認局面になりそうだ。ユーロ圏では、米国よりも物価減速が遅れたが、銀行貸し出しが急減速するなど引き締め効果が強まる方向にある。ユーロ圏も利上げ打ち止めに近づいているとみられる。一方、日銀は経済の正常化や円安などを受けて超緩和政策の修正機会を探っているが、米欧金融政策の転換点が近づいていることから、小幅修正にとどまりそうだ。緩和基調は維持されよう。
企業収益面では、米国S&P500種の予想利益が2023年4~6月期を底に下期以降、回復見通しだ。東証株価指数(TOPIX)の予想利益は相対的に堅調で上方修正余地が大きそうだ。注目度の高い世界半導体景気は生産・在庫調整の進展やAI(人工知能)向けなど新たな成長分野の出現などから、23年上期を大底に下期以降回復局面が予想される。
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週刊エコノミスト
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