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投資・運用 EV戦争2023

EV関連銘柄の注目5テーマはこれだ 山本伸

 株式投資の観点で注目すべき電気自動車(EV)関連のテーマを五つ挙げたい。

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1 次世代電池

 EV用電池として主流のリチウムイオン電池(LIB)に代わる次世代電池のうち、とりわけ注目が集まっているのは航続距離を飛躍的に伸ばし、充電時間が短くなるという「全固体電池」だろう。トヨタ自動車が6月、「2027~28年の実用化にチャレンジする」と発表すると、大きく報じられた。

 しかし、同社は以前、実用化時期を「20年代前半」と明言しており、開発がだいぶ遅れているととらえるべきだ。仮に27年ごろに実用化できても、世界的に普及するのは30年以降となるだろう。

 トヨタの発表内容をよく読めば、全固体電池とは別の次世代電池のほうに力を入れていることが分かる。その一つが豊田自動織機と協力して開発する「バイポーラ型LIB」だ。トヨタの発表内容によれば、22年に発売したEV「bZ4X」の航続距離は中国の独自基準CLTCモードで615キロだが、次世代電池を搭載して26年に市場投入するEVは1000キロ、そしてバイポーラ型LIBが実用化するとさらに10%向上、つまり1100キロ程度となる。急速充電時間もbZ4Xは30分以下、バイポーラ型LIBは20分以下だ。

 トヨタと豊田自動織機を含む4社は6月、経済安全保障推進法に基づく経済産業省の助成金を最大1178億円受けることが決まった。使途は全固体電池やバイポーラ型LIBを含むEV用電池の生産基盤の整備などだ。

 ほかにも、豊田通商が筆頭株主の三洋化成工業はバイポーラ型LIBの開発を進めるAPB(福井県越前市)に主要材料を供給する。

 豊田自動織機の株価純資産倍率(PBR)は0.8倍台、三洋化成工業は0.6倍台と割安だ。

2 セパレーター製造装置

 全固体電池が普及すると、LIBに使う「セパレーター」という重要な材料が不要になり、セパレーター関連メーカーの業績にはマイナスだ。しかし、全固体電池が普及するのが30年以降となれば、今後7年程度は電池の主流はLIBのままだろう。そうなればセパレーターの需要は増え続ける。

 そんな見通しから、株式市場ではセパレーター製造装置の主要メーカー、日本製鋼所や芝浦機械に注目が集まっている。芝浦機械は中国企業からの受注が大きく増えており、24年3月期は売上高が前期比46%増、本業のもうけを示す営業利益は同2.6倍と急拡大する見通しだ。株価は7月3日に上場来高値を更新している。

3 イーアクスル

 ギア、モーター、インバーターを一体化したEVの駆動系の基幹装置を「イーアクスル」という。実績がある企業にはニデックとアイシンがある。ニデックは19年、中国の広州汽車集団向けに量産を始めた。欧州でも生産し、今年半ばまでに生産台数は累計100万台に達する。イーアクスルの生産台数は世界1位としてい…

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