《東京市場》中東緊迫化は次の上昇相場への好機 三宅一弘
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今秋の投資環境は好材料と悪材料が交錯する構図が予想される。
プラス面をみると、米欧は基調的物価上昇が減速する中で、利上げ終了の可能性が高まってきた。世界の半導体景気は今年前半を大底に回復局面に入った。実際、世界のハイテク景気に敏感な韓国、台湾の輸出が底入れし、回復基調を強めている。日本の景気は底堅く推移しているが、岸田政権は物価抑制、賃上げ、投資促進を柱に補正予算を編成し後押しする方針だ。日米の企業業績は2023年7~9月期決算発表では上方修正が優位となり、今後の予想利益が伸長しそうだ。
マイナス面は、米欧を中心に金融環境の一段のタイト化が挙げられる。住宅や設備投資の重しになるほか、保有債券の含み損増大など金融機関のバランスシートを直撃する。足元は、パレスチナのガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスとイスラエルの衝突に伴う中東情勢の緊迫化である。1973年の第4次中東戦争が第1次石油危機につながり、世界経済が大混乱に陥った。イランなど主要湾岸産油国に戦争が拡大するのかが注目され…
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週刊エコノミスト
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