《今週のポイント》9月の毎月勤労統計調査(11月7日)上野剛志
有料記事
賃金の上昇率は高まるか
日銀による金融政策正常化観測がくすぶるなか、持続的な物価目標達成についての重要な判断要素となる賃金への注目度が高まっている。11月7日に厚生労働省が公表する9月の毎月勤労統計調査(速報)において賃金上昇率が高まっているかどうかは、金融政策正常化までの距離感を計るうえで一つの手掛かりになる。
8月(速報)の状況を確認すると、名目賃金(現金給与総額)は前年比1.1%増と7月から横ばいにとどまり、基調としても昨年から加速している姿は確認できない。一方、パートタイム労働者を除く一般労働者の所定内給与に限って見た場合、伸び率は同1.5%増へと高まり、昨年比での基調の高まりもうかがわれる。2023年春闘でのベースアップの拡大が寄与しているものとみられる。ただし、連合の集計による同春闘でのベース…
残り323文字(全文680文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める