英語、数学、IT教育が強みのインド系インターナショナルスクール 村田学
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規模を拡大しつつあるインド系インターナショナルスクール。英語の教育環境のみならず、IT、算数・数学教育が保護者の関心を集めている。
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グーグルやマイクロソフトなど、世界有数のグローバル企業のCEO(最高経営責任者)を輩出する人材大国インド。その原点は教育にあるといっていいだろう。海外移住したインド出身者やその子孫である「印僑」にとって、インド系インターナショナルスクールは、家族の教育を支える重要なインフラだ。
日本国内のインド系インターナショナルスクールは、東京都江東区、江戸川区に集積している。
江東区千石に4月に新校舎を建てた「インディア・インターナショナルスクール・イン・ジャパン」が最大規模で、1300人が通う。「グローバル・インディアン・インターナショナルスクール東京校」は、江戸川区葛西周辺の4キャンパスに計1200人、UIAインターナショナルスクール・オブ・東京(江東区木場)には600人が通う。
こうした規模の大きいインターナショナルスクール以外にも、中規模の「サイ・シシャ・インターナショナルスクール」や「東京ベイインターナショナルスクール」も近くに所在する。一方、未就学児を対象としたインド系スクールは全国的に規模を拡大している。
在留外国人統計によると、国内では昨年末時点で4万3000人のインド人が住んでおり、この10年間で2倍以上に増えた。東京のインド人コミュニティーの中心になっているのが、江戸川区西葛西を中心とした地域だ。東京都の調査によると、江戸川区と江東区に多くのインド人が住んでおり、0~19歳の子ども約8000人が暮らす。その多くがインド系スクールに通っているとみられる。
英語の環境、学費は割安
「海外駐在」で来日するインド人は、単身赴任ではなく、家族で転勤してくるケースが多いため、子どものための学校は重要だ。インド人の多くは英語ができるため、インターナショナルスクールが選ばれる。ただ、従来のインターナショナルスクールは、欧米人向けが中心で、ヒンズー教やイスラム教など、多宗教で多言語のインドの多様性を満たす教育が実施できなかった。そこでインド人向けのインターナショナルスクールが設立されたという経緯がある。
子どもを通わせる日本人の保護者らは「インドの公用語であるヒンディー語はもちろん、フランス語や日本語など言語教育も充実している」と多様な言語教育にも驚くという。5言語以上話せる子どももおり、教員も言語の多様性を重視している。
国内では英国系スクールの開校も続いている。昨年8月に開校した「ハロウインターナショナルスクール安比ジャパン」(岩手県八幡平市)は、英国の名門ハロウ校の系列だ。今年9月には、千葉大学柏の葉キャンパス(千葉県柏市)内に、英国の伝統的な寄宿学校、ラグビー校が日本校を開いた。
ハロウ校、ラグビ…
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週刊エコノミスト
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