メキシコはシェールオイル・ガス関連 カナダはウラン採掘関連 米墨加の注目10銘柄はこれだ! 今井正之
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2024年は米国のグロース株だけでなく、経済成長を続けるメキシコやカナダの株式にも注目したい。
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米国経済は2024年、金利上昇の影響で失速する可能性が高い。そのため、米金融当局は同年6月以降、小幅な利下げに転じると予想できる。そうなれば、景気減速下の株高である「金融相場」となり、小型・グロース株は上昇するだろう。ダウ工業株30種平均よりナスダック総合指数のほうが値上がりしやすいと予想している。そこで、人工知能(AI)関連株に続く次世代グロース株を挙げてみたい。
まずは画像処理半導体(GPU)の世界最大手、米エヌビディアだ。GPUは任天堂の「スイッチ」などゲーム機用の画像処理に使うことが多かったが、近年はAIの計算用途が増えている。今年、生成AIの利用が本格化したことで、AI用GPUの争奪戦が起こり、エヌビディアの5~7月期売上高は前年同期比2倍と絶好調だった。
新薬が有望なファイザー
次は新型コロナウイルス用ワクチンを実用化した米製薬大手ファイザーだ。今年は同ワクチン「コミナティ」と新型コロナ治療薬「パクスロビド」の販売が想定以上に減少し、株価は低迷している。7~9月期売上高に占める新型コロナ関連は15%弱まで低下した。
もっとも、新型コロナ関連以外の新薬候補ラインアップは充実している。同社の肥満症治療薬候補「ダヌグリプロン」を投与した際の体重減少はデンマーク製薬大手ノボノルディスクの競合薬と同程度と5月に報じられた。ダヌグリプロンは服用が容易な経口薬であり、治験の進展とともに販売増に期待が高まるだろう。配当利回りは年5.3%と高く、12年連続で増配している点からも妙味を感じる(11月8日終値ベース)。
異色なのは無人航空機(ドローン)メーカーの米エアロバイロンメントだ。軍用製品が多く、自爆ドローン「スイッチブレード300」は1機約6000ドル(約90万円)と安価で、運用が容易とされる。米政府は22年、同機をウクライナに提供した。5~7月期売上高は前年同期比40%増と好調だ。
パランティア・テクノロジーズも多数の政府機関を顧客とする異色の米データ分析企業。同社のソフトウエアは新型コロナ用ワクチン接種計画の策定などのため、米保健福祉省や米疾病対策センター(CDC)が採用した。23年4~6月期売上高は前年同期比13%増と好調だった。日本では19年、SOMPOホールディングスと合弁で日本法人を設立。同社もパランティアのソフトウエアを採用した。
センチネルワンはAIを活用した米サイバーセキュリティー会社。AIを搭載した製品を開発し…
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週刊エコノミスト
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