投資・運用

平成バブルよ再び 内需主導型の注目10銘柄はこれだ! 植木靖男

1989年の東証大納会は史上最高値の株価をつけ、威勢のいい手締めで取引を終えた
1989年の東証大納会は史上最高値の株価をつけ、威勢のいい手締めで取引を終えた

 株式市場を取り巻く状況は「平成バブル」に似ている。大手鉄鋼など当時人気だった銘柄が大いに参考になる。

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 2024年の株式市場は、すでに始まっている“バブル相場”が本格化するとみている。

 これまで日本は数々のバブル相場を経験しているが、今回と酷似しているのは1986年からスタートした平成バブルだ。いわゆる内需主導型の経済拡大だった。当時人気化した業種、銘柄は24年の相場を考える上で大いに参考になると思われる。

当時も低金利政策

 当時は輸出主導型経済からの転換が起きた。交易条件の急激な変化がきっかけとなり、実質所得増に結び付き、内需主導型経済拡大をもたらしたのだ。住宅、消費、設備投資を中心とした景気拡大で、金融緩和策がそれを加速させたといえる。政策金利は当時史上最低の2.5%まで低下している。

 こうした経緯は現在と極めて似ている。日銀も低金利政策を維持している。だとすると、株式市場での上昇銘柄、業種も当時と似たものとなりそうだ。全国的に知名度の高い、かつ流動性の高い大型株がメインとなるのではないか。例えばIHI(当時は石川島播磨重工業)だ。150円ほどから結局1600円まで上昇、PER(株価収益率)は100倍を超えた。

 こうした観点からみると、目につくのは鉄鋼株だ。銘柄では日本製鉄、JFEホールディングスなどが注目されよう。また、当時は造船株が人気化したが、現在では中身が大きく変化して重工業となった三菱重工業や川崎重工業、IHIなどが妙味大だ。いずれも防衛、再生可能エネルギー、宇宙関連などの新たな分野で活躍しそうだ。

注目される「Qレシオ」

 地価の上昇傾向も当時と共通している。バブルの頃は土地保有の大きい銘柄も物色された。企業が持つ株式や土地を時価で評価し、いわゆる含み益も加味する株価指標「Qレシオ」を使用する状況であった。最近でも、こうした…

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