生成AI向けGPU需要が旺盛 IT関連の注目銘柄はこれだ! 今中能夫
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世界の半導体市況は7~9月期から回復に転じた。生成AI向け半導体は品不足が続いている。
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世界の半導体出荷額は2023年1~3月期が大底だった。サーバー用、パソコン用のCPU(中央演算処理プロセッサー)は、同4~6月期まで在庫調整をしていたが、同7~9月期は回復に転じている。一方、データセンター用のGPU(画像処理プロセッサー)は生成AI(人工知能)ブームを受け、ずっと品不足が続いている。総合して考えると、24年の半導体市場は、23年よりもずっと良いといえるだろう。
AI用の半導体であるGPUの設備投資は、ボトルネックだったGPUに付随する特殊メモリーの生産増強を受け、前に進み始めている。GPUは24年になると供給が大幅に増えるはずだ。あとは金利の問題だが、米国の長期金利の上昇に神経をとがらせる必要はなくなっており、投資環境も良くなっていくだろう。
半導体の大口ユーザーは、GAFAMと呼ばれる米グーグル、アップル、フェイスブック(現メタ・プラットフォームズ)、アマゾン、マイクロソフトの5社だ。このうち、アップルを除く4社の設備投資は、1~3月期ないし4~6月期が底で、7~9月期は明らかに回復している。要因は生成AIブームで、GPUなどAI用半導体の需要は非常に強い。また、それを利用するためのネットワーク、情報システムの需要も旺盛だ。
ブレーキ役は、米国の人手不足だ。政府の補助金政策もあり、製造業はほとんど全ての産業で設備投資ブームという状況で、現場の労働者が足りていない。ただ、これで生成AIブームがしぼんでしまうことには、ならないだろう。
AMDへの需要も強く
期待できる個別銘柄の筆頭は半導体大手、エヌビディアだ。大規模データセンター向けのAI駆動用GPU「A100」の上位機種「H100」の需要はあまりにも強い。「エヌビディアが入手でき…
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週刊エコノミスト
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