新規会員は2カ月無料!「年末とくとくキャンペーン」実施中です!

投資・運用 2024年に上がる株

来年度10%増益に 大幅増益が見込まれる10銘柄はこれだ! 河合達憲

 2024年の日本経済は、コロナ禍からの回復が一段と鮮明となる。個人消費、インバウンド双方とも期待できそうだ。

>>特集「2024年に上がる株」はこちら

 2023年度の企業業績を見通した場合、コロナ禍からの本格的な正常化と、ドル・円レートの異常な値動き、この2点が重要なファクターとなり、その延長線上に24年も推移するということを前提に、株式市場にアプローチすべきだろう。

 また、23年12月の重要スケジュールとしては、年内最後のFOMC(米連邦公開市場委員会)があるが、年内イベントの総仕上げとして市場の注目度は高い。特に、11月会合まで2回連続の利上げ見送り後の最終仕上げの行方がマーケット環境を左右する。

 現状では、利上げ不要論も出てきており、12月も3会合連続の利上げ見送りということになれば、事実上の利上げ終了サインとみなされ、市場の反騰ムードは一気に加速する可能性がある。

 逆に年内最後の利上げに踏み切った場合でも、ターミナルレート(到達金利、政策金利の最も高い水準)に完全に到達したことになる。FRB(米連邦準備制度理事会)は24年からは利下げのカードも手に入れることとなり、金融政策のかじ取りはここ2年間のインフレファイトの期間より数段、楽になるだろう。当然、株式市場には楽観シナリオが浮上する可能性が高い。そのため、12月のFOMCについては、利上げあるいは利上げ見送りでも、世界の株式市場にとってはフォローの環境となる。

 それまでは、12月のFOMCまでの間に、米10年国債利回りがピークアウトするかどうかを注視すべきだ。債券市場はインフレファイトの終了の鐘が鳴るのを待っている。利下げは24年の後半が予測されており、現時点での織り込みは気が早すぎるとしても、インフレ退治成功とリセッション回避という重責を成し得たことへの信認という市場への配当は大きいだろう。

訪日観光客は過去最高へ

 さて、来年の企業業績だが、内需と外需の両面から追い風を受けそうだ。まずは内需だが、国内の個人消費の正常化と訪日外国人観光客のインバウンド・リスタートが、国内消費をダブルで引き上げそうだ。

 24年は訪日外国人観光客が5年ぶりに19年の過去最高を再びピーク更新する年であり、その恩恵を内需拡大という受け皿が享受しよう。訪日外国人観光客は、中国の渡航制限も解除となった今年8月から本格的に回復し、コロナ禍が始まる前年の19年同月比では、5月が7割回復であったのに対し、8月は86%、9月96%の回復となった。19年の訪日外国人観光客のピークは3188万人だったが、24年は同水準を余裕で超えることが予想されている。

 もう一つは外需だ。23年の平均ドル・円レートを四半期ごとにみると、1〜3月平均が132.36円、4〜6月が137.47円、7〜9月が144.56円。1〜3月期に比べ7〜9月期はなんと約12円の円安である。これは、トヨタ自動車の1円当たりの為替影響度450億円で試算すると、12円の円安は約5400億円の為替差益となり、営業利益にオンされる増益要因となる。24年は日米とも低金利政策からの脱却によって、ドル高・円安が沈静化することで、輸出関連の為替差益等のメリットは軽減するものの、20年2月から23年春までの約3年間のコロナ禍における企業体質強化の成果が花開くことが、期待される。

 結論を…

残り1254文字(全文2654文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)が、今なら2ヶ月0円

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

12月3日号

経済学の現在地16 米国分断解消のカギとなる共感 主流派経済学の課題に重なる■安藤大介18 インタビュー 野中 郁次郎 一橋大学名誉教授 「全身全霊で相手に共感し可能となる暗黙知の共有」20 共同体メカニズム 危機の時代にこそ増す必要性 信頼・利他・互恵・徳で活性化 ■大垣 昌夫23 Q&A [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事