新NISA開始 家計の金融資産に占める株式・投信の割合は過去最高 下田裕介
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新NISAは岸田政権の「資産所得倍増プラン」に向けたステップの一つに過ぎない
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2024年1月から新しいNISA(少額投資非課税制度)がスタートする。現行の「一般NISA」と「つみたてNISA」が一本化されて併用が可能となったほか、制度の恒久化と非課税期間の無期限化、非課税投資枠の大幅拡充など、仕組みが抜本的に改善された。
政府は「資産所得倍増プラン」の当面の目標として、今後5年間で、NISA総口座数とNISAによる金融商品の買い付け額倍増を掲げている。達成に向けては、家計の「貯蓄から投資」へのシフトを一段と促進し、定着させることが必要だ。
家計の貯蓄から投資へのシフトは、現行NISAでもすでに見られている。日銀の「資金循環統計」によれば、直近(23年6月末)の家計の金融資産に占める株式・投資信託の割合は17.4%と、今の統計でさかのぼれる1997年12月以降で最高となった(図)。
19年以降の残高増加を要因別にみると、株式は時価変動による影響が大きいが、投資信託は資金の純流入も押し上げに寄与しており、NISA制度が投資信託の購入を促していることが確認できる。新NISAには貯蓄から投資への動きをさらに後押しすることが期待される。
金融教育の機構も設立
とりわけ、投資に二の足を踏んでいる人を動かすことが重要になる。日本証券業協会の証券投資に関する調査によると、現行の一般NISAの口座を開設する意向がない人は4割弱存在し、理由として「制度がよく分からない」「そもそも投資をする気がない」が多くを占めている。
また、若年層へのアプローチも期待される。投資を通じて安定した資産形成を目指すには、「長期の運用」が重要なポイントの一つであり、若年層はそのために必要な時間を十分に生かすことができるからだ。新NISAで投資未経験者や若者に対する訴求力を高…
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週刊エコノミスト
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