教養・歴史

企業の社会的責任めぐり多分野の知性が考察する論文集 加護野忠男

『責任という倫理 不安の時代に問う』 國部克彦、後藤玲子編著 ミネルヴァ書房、4180円

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 法哲学、経済学、経営学、会計学など人文社会科学の多彩な分野の著者たちが、企業の社会的責任を考察した論文集。

「責任の基盤としての自制」と題した章では、アダム・スミスの言う「公平な観察者としての視点」を自らの内部に持ち、ビジネスマンが個人としてなすべきことが示される。

「企業の社会的責任の展開──レスポンシビリティを組み込むために」の章では、機能的な責任という意味のみに限定された「アカウンタビリティ」という概念を中心に組み立てられている企業組織に対し、他者への呼びかけに応える「レスポンシビリティ」を取り入れる必要が指摘されている。

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